揚げ物に合わせてみたいロゼワインは甘さも残ったやさしい辛口
エーデルワイン「コンツェルト」×からあげ
ワイン好きの方ならば常識であるが、ワインの甘さや辛さは、ぶどうの発酵過程で決まってくる。ぶどうに含まれる糖分は、発酵とともにアルコールに変わっていくが、糖分のほとんどがアルコールに変わってしまえば辛口となり、糖分が十分に残った状態で発酵を止めると甘口となる。残った糖分の量は残糖量とも言われ、これが高ければ高いほど甘口となるのだ。
エーデルワインの「コンツェルト」は辛口のロゼワインで、日本ワインコンクール2017奨励賞を受賞したおすすめのひと品。キャンベル・アーリーという品種から作られ、フルーティーな香りと味わいが特徴だ。辛口とは言いながら、実際に味わってみると甘口のようにも感じる。知らずに飲むと、甘口のロゼワインだと思ってしまう人もいるかもしれない。これは生産過程において、辛口の条件を満たすギリギリの残糖量のところであえて発酵を止め、このような味わいにしたからとのこと。
さてエーデルワインによると、このコンツェルトは揚げ物や中華料理に合うという。そこで今回は、東京・綾瀬にあるからあげ専門店・丸武商店のからあげと合わせてみることにした。
コンツェルトは開栓と同時にシロップのような甘い香りが漂ってくる。軽い渋味と酸味があるが、とてもすっきりとした味わいのワインだ。たしかに、ほんのりとした辛さがある。なるほど、これがギリギリの残糖量で辛口にしたワインか。のどを通るとき、辛口ワインにありがちなツンとくる刺激は少なく、むしろ爽やかに流れ落ちていく“やさしい辛口”という印象だ。辛口ワインは苦手だという人でも、これなら大丈夫だろう。
丸武商店のしょうゆからあげは、サクサクと香ばしい衣が特徴的で肉汁も十分。これをひとつ食べてからコンツェルトを口に含むと、残った油や肉汁を爽快に洗い流し、口の中をさっぱりとさせてくれる。そう、この爽快感。これが実にいい。たしかに揚げ物に合いそうだ。また、サクサクとした食感の衣を味わったすぐ後には、このさわやかなワインがあと口よい。そして軽い渋味が口に残ったからあげの味をのどの奥へグイと押し込んでくれるようだ。
案外、このワインのポイントかもしれないのは軽い渋味と酸味。これらが食欲をそそる。思わず次のからあげに手を伸ばしたくなってしまうのだ。普通のレストランなどに置くのもいいが、最近都内でもはやりのからあげ食べ放題のお店で出してみると、好評かもしれない。食べ放題店で30~40個のからあげを平気で食べてしまう私のような者が、このワインを飲みながら食べ放題にチャレンジすると、お店側にとってはちょっと迷惑かもしれないが…。
徳間書店・食楽web「から活日記」より
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