食べ始めると無我夢中。みんな無口になる素揚げの名店


『鳥房』若鳥唐揚


 衣をつけずに揚げる素揚げは、余分な水分が抜け、その分肉の旨みを堪能できる、なんとも嬉しい調理法です。片栗粉など糖質を含むものを使っていないため、通常のからあげよりも低カロリーなのもポイント。


 東京には鶏の素揚げの名店がいくつかありますが、都内屈指のディープな飲み屋街、葛飾・立石の「鳥房」はからあげ好きなら誰もが知る有名店。からあげグランプリの素揚げ・半身揚げ部門で最高金賞を2回、金賞を3回も受賞している実力店です。


 鳥房には“ルール”がいくつかあります。


1.酔った人の入店はできない(1次会で行くしかない!)

2.からあげをひとり一皿必ず注文すること(これが目的なので問題なし!)


  そのほか、荷物や上着はテーブルの下、あぐらはNGなど(お客さんが多いので席確保のため)がありますが、難しいものではないので、普通に店員さんの言うことを聞いていれば問題ありません。


 名物の〈若鳥唐揚〉は時価。すべて半身揚げですが、大きさで580~730円くらいまで、20円刻みでランクがあります。これは日によって仕入れ状況が変わるため。店員さんが「今日は580円、600円…」と説明してくれるので、好きな大きさを注文しましょう。ちなみに私は必ず一番上(笑)。


 オーダーしてから数十分で、お待ちかねの若鳥唐揚が出てきます。箸で食べるのは不可能なので、手を使います。お手拭きと半紙は常にそばに置いていないと大変なことに。 


 湯気が立っているほどアツアツの素揚げ。モモ、ムネ、手羽などあらゆる部位の味が楽しめます。表面のおこげが、これまた香ばしくて美味。衣なしの素揚げでここまでできるか!という脱帽のクオリティです。


 カニを食べるときのように、無口になってしまうこと必至。グループでおしゃべりを楽しみたい人は、からあげが出てくるまでの数十分間、鳥わさ、ぽんずさしなどをアテにビールを飲みながら、十分にしゃべっておきましょう(笑)。

徳間書店「食楽web」~カラアゲニストの「から活」日記~より


0コメント

  • 1000 / 1000