からあげ・こぼれ話~その1~
数年前の話。地方取材に出かけたときのこと。ランチタイムに、ある定食屋で名物のからあげ食べ放題定食を食べようとしたときのこと。人気店のため、当然混んでいます。見知らぬお客との相席も当たり前。私が案内されたテーブルにはひとりのオジサンがすでにからあげ食べ放題定食を楽しんでいるところ。
ところがこのオジサン、食べ方があまりにヒドい。行儀が悪い。がっつくという表現がぴったりな食べ方で、何日も何も食べていないのではないかと思うほど。まあ、そんな人もいるだろうと思い、極力そちらに視線を向けないようにして、私も出されたからあげを食べ始めました。
ふとした瞬間、そのオジサンの不思議な動作が視界をかすめました。魚を食べるとき、骨を箸でつまんでお皿の隅に置くという動作はよくありますが、それと似た動作をしているのです。
ん…?骨…?骨付きのからあげか…?いや、そんなことはない、私のからあげはすべて骨なしです。視線を合わせないよう、そのオジサンに目をやると…。
なんと、衣をはがして、それを箸でつまみ、空いた小皿に放り投げているのです!
はあ!? 衣を食べない!? 肉だけ!?
正直、唖然としました。以前もこのブログで書きましたが、からあげの味の良し悪しは衣で決まると私は思っています。そんな重要な部分を食べずに残すとは…。
別段、アブラっぽい衣でも、辛い味付けがなされた衣でもありません。何故に衣だけ残すのか…?しかも食べ放題なので、相当な量を召し上がったご様子、隅に置かれた空いた小皿には、山のようにはがされた衣が積み上げられ、夕立のときに慌てて取り込んだ洗濯物のような状態に。
それを見ていると、なんだか食欲がなくなってきた私。せっかくの食べ放題でしたが、11個で打ち止めでした…。
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