お客のほぼ全員がオーダーするからあげの美味しさに迫る!
『やきとり 宮川』唐揚げ定食
明治2年、東京・築地に公営の食肉市場が開設され、昭和11年に現在の品川に移転するまでは、肉は築地界隈で取引されていたそうです。そのためか、付近の八丁堀や茅場町あたりは、おいしい肉料理を食べさせる名店が多いという話を耳にしたことがあります。
『やきとり 宮川』は、茅場町に数ある鶏料理の名店のひとつ。ランチタイムを外して11:00少し過ぎに到着したのですが、お店の前はすでに6人待ち。それでも回転は早いようで、2分ほど待っただけで席に案内されました。
周囲のお客さん、ほぼ全員が食べているのはからあげ。やはり一番人気のようです。当然私も〈唐揚げ定食・880円〉。するとお冷、おしぼり、鶏スープにポン酢のようなつけ汁が出てきます。この鶏スープが絶品で、鶏ガラの旨みがよく出ており、塩と胡椒もきいているのでお酒のあとに飲みたくなるような味わい。実はこの鶏スープ、メインのからあげが出てくるまでに飲み干しておくのがポイントです。
ここのからあげの特徴は、竜田揚げのような白い衣。見るだけでサクサク感が伝わってくる色彩に期待は高まります。骨なし2個、骨付き(手羽先)2個に、付け合わせがオーソドックスなキャベツでなく刻みネギというのも、なんとなくかわいらしい。あっさり系の塩味ですが、噛むと肉汁がじんわりと。濃い味付け、ガリッと固い衣のからあげを出すお店が多い中、ここのからあげはなんとも上品です。
最初に出てきたつけ汁に軽く浸して食べてみます。酸味のほか、かすかな甘みもあるこのつけ汁に、刻みネギを合わせると、あっさり味のからあげに爽やかさが加わります。
そして嬉しいことに、からあげと一緒に2杯目の鶏スープも出てきます。これがまた、からあげとよくマッチしていること…。食べながら飲むもよし、締めに飲むもよし。次回は夜に来て、飲んだあとにこの鶏スープを飲んでやろうと思います。
徳間書店「食楽web」~カラアゲニストの「から活」日記~より
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