からあげは楽しい記憶とリンクする?~人はなぜからあげを好むのか~
鶏のからあげはみんな大好き。私はこれまで「からあげが嫌いだ」という人に出会ったことがない。「鶏肉は苦手」とか「揚げ物はダメ」という人はいたが、ピンポイントでからあげ嫌いを表明した人はいない。そして今後も出会うことはないだろう。
お弁当屋では、からあげ弁当は人気メニューになっている。居酒屋でも人気のおつまみだ。からあげは子どもにも大人気である。なぜこうまで、人はからあげを好むのか?
からあげの人気の秘密を考えてみた。味か?香りか?食感か?肉のうま味か?調理法か?いろいろ考えたがよくわからない。味覚の問題なので理屈では説明できないのかもしれない。考えること自体に無理があるのかもしれぬ。
そこで私はひとつの仮説を立ててみた。
からあげ人気は、その味などではなく“記憶”の問題なのではないだろうか。どういうシチュエーションでからあげを食したか思い出してほしい。日常的に(白飯並みに)食していただろうか?
からあげはお弁当のおかずに登場することが多い。揚げ物は傷みにくいからという理由もあるだろうが、味がしっかりついたからあげは冷めても美味しく食べることができるのもそのひとつ。
ではお弁当はどんなシチュエーションで食べていただろう。給食のない学校などに通っていた人はそれこそ毎日お弁当を食べただろう。その場合、毎日からあげが入っていただろうか?日常的なシーンでのお弁当にからあげが登場することはそうそうなかったのではないだろうか。
むしろ遠足や運動会など、特別なシーンでのお弁当には主役のように登場していたのではないだろうか。母親が気合いを入れて作ってくれたお弁当。さまざまなおかずが彩りも鮮やかに盛り付けられた箱の中に、ひときわ輝いているからあげ。楽しい遠足や運動会をひっそりと盛り上げる名脇役と言ってもいいかもしれない。弁当箱のふたを開け、からあげが目に飛び込んできたときの高揚感。私は忘れない。逆にからあげが入っていなかったときの失望といったら…。
またからあげは大勢でシェアして食べることができる。子どものころのお誕生会やちょっとしたパーティーなどでからあげは必ずと言ってよいほどに提供されていたと思う(大量に調理しやすいということもあると思うが)。
そのように、特別なシーン、楽しいときの記憶とリンクしているのがからあげの味なのかもしれない。
食べるたびに楽しい記憶とリンクして楽しくなる。かく言う私も、からあげを食べて嫌な気分になったことはない(マズいからあげを食べたとき以外は)。からあげを食べると楽しい感覚がよみがえり、また食べたくなる。それがからあげなのかもしれない。
これはあくまでも私の仮説である。
さて、この仮説をどうやって立証すればよいやら…。
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